給与から減額で?確定拠出年金「選択制」広がる

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確定拠出年金「選択制」広がる
「企業側の新たな負担なしに、従業員の年金制度をつくれます」。10年12月、千葉県流山市で流山商工会議所が地元企業を対象に開いた401k導入プランの説明会。ファイナンシャルプランナー(FP)の山中伸枝さんの言葉に、経営者たちが聞き入った。

流山商議所は11年4月、会議所職員のほか「会員企業の当初10社程度を目標」(村田昭博次長)に共同で「選択制401k」を導入する。

本来は企業が掛け金を上積みして制度をつくるが、余裕のない企業が大半。このため、まず給与を最大5万円減額した新給与体系を各社が設計。希望者はその5万円を上限に401kの掛け金とし、希望しない場合は従来通りの給与を受け取る。

「給与が減るのでは意味がない」と思いがちだが、実は従業員にとって有利な結果になりがちだ。会社からもらう額は掛け金を含めると従来と同じだが「給与が減る とその分の税金や社会保険料の負担が減る」(流山商議所の導入を手掛けたコンサルティング会社、赤坂共同事務所の代表で公認会計士の宝金正典氏)からだ。

同事務所の試算では給与月額が40万円だった場合、2万円を給与から減額して掛け金にすると、主な税金や保険料が年に約7万5千円減る。月給60万円の人が同方式で5万円を掛け金に振り替えると、同19万4千円減る。

給与から減額して確定拠出年金にあてる企業が現れるとは驚きました。
「従業員にとって有利な結果になりがち」とありますが、本当にそうでしょうか。

「給与が減るとその分の税金や社会保険料の負担が減る」というのは事実です。
しかし、例えば失業した際に受け取る失業保険も減りますし、転職する場合に評価対象となる月収も低くなるわけです。
「確定拠出年金の分を含めての月収でした」と主張しても、あまり理解は得られないような気がします。

難点がないわけではない。例えば給与を減額して掛け金に回した結果、給与(報酬)の額で決まる厚生年金保険料の「等級」が下がると、目先の保険料が下がる代わりに将来の年金の受取額も減る。赤坂共同事務所の試算では図Bの(1)のケースでは、将来の厚生年金の受取額が年に約3万9000円減る。

もっとも厚生年金保険料の等級は、給与で月に60万5000円以上はすべて同じ。大手企業では年齢が高くなると給与がこの上限を大きく超えている場合も多 い。その場合は401k導入で給与を減額しても等級は下がらず、保険料も下がらないが将来の年金額にも影響しない。一方で給与減額に伴う税負担減の利点は 享受できる。

そして、将来の厚生年金の受取額も・・。
「給与で月に60万5000円以上はすべて同じ」と言ったところで、「本来は企業が掛け金を上積みして制度をつくるが、余裕のない企業」が、それだけの給与を払っているものでしょうか?

本来なら企業が負担するべき年金を、税制をうまく利用して社員に負担させているように見えます。
確定拠出年金のシステムが、企業に都合のいいように利用されないことを祈ります。

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